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新刊●「生前戒名のすすめ」の著者・松原日治氏に聞く   

戒名は怪名だから快名でなくてはならない
いきがい、やる気が持てる戒名を得て、
いまこそ「こころ」の出家を

 

■戒名とは何か?と問えば、「死んだ人に付ける名前」と答える人がほとんどだろう。だが、戒名の意義、役割を知れば、それを本当に必要とするのは生きている人間であることがわかってくる。

 戒名は生前に貰う場合と、亡くなった後から貰う場合があります。一家のどなたかが亡くなられた後、「お通夜だ、葬式だ」とバタバタしているさなかにお坊さんが決めて、授戒されるのが一般的ですが、そもそも戒名とは生きているうちに貰うものなのです。

 戒名は仏教徒の証です。戒名を授かることはお釈迦様の弟子になることであり、出家を意味します。本来は無神論者やキリスト教など他教を信じる方には必要のないものですが、亡くなった後に「戒名がないとどうにも落ち着かない」「不自然だ」と感じる方はたくさんおられます。

 いま、不況やリストラなどの影響で、中高年の方々を中心に精神的な癒しを求められる方が増えています。座禅を求めてみたり、虚無僧に憧れてみたり、生きているうちに戒名を、という方が増えています。こうしたことから、「戒名とは何か?」について、いま一度、考えてみる時代にさしかかっているのではと思います。

 生前戒名とは、「一度死んだつもりで」とか「生まれ変わったつもりで」という必死の願いを込めて、人生を再出発する際に付ける一種の宗教的改名です。また、来世ではこうありたいという願いも込められています。これこそが、戒名の本質といっていいでしょう。

 位牌に刻まれた難解、難読な戒名ですが、そこには、生きていくためのヒントがたくさん隠されています。戒名は亡くなられた方のためよりも、現世に生きている方のために必要なものなのです。

 本書「生前戒名のすすめ」には、戒名についての基礎知識が分かるだけでなく、日本における仏教の歴史、僧侶の堕落の歴史、部落民への戒名による差別の歴史、談合によって作られた檀家制度による搾取の歴史、輪廻転生の仕組みと戒名の関係などを詳しくご紹介しています。さらには、戒名を通じて家庭崩壊・学級崩壊・社会崩壊、自殺願望からの解放・救済のヒントを読みとって欲しいと願い、今回、おこがましくも筆をとらせていただきました。

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